2015/11/05

TriCaster 8000を2式導入した「AmebaFRESH!Studio」が原宿竹下口に完成

Filed under: 未分類 — TriCaster @ 10:20 AM

 

「AmebaFRESH!Studio」
TriCaster 8000を導入した「AmebaFRESH!Studio」が原宿に完成。 多数の芸能人や著名人が利用し、ブログや動画配信まで多彩なサービスを展開する「Ameba」。
そんな「Ameba」の動画サービスの発信拠点としての役割を担うスタジオが、 株式会社サイバーエージェント(東京都渋谷区)が運営する「AmebaFRESH!Studio」だ。

 

 

これまで東京・渋谷の道玄坂のスタジオから発信してきたが、今夏移転してリニューアル。東京・JR原宿駅竹下口の駅前に、公開スタジオAmebaFRESH!Studioとして2015年7月18日にオープンした。

AmebaFRESH!Studioには、サテライト放送が可能な公開スタジオと、ラジオの公開スタジオのように対談形式で利用できる小スタジオのほか、記者会見やイベントが実施可能な多目的スペース兼スタジオ、Amebaユーザーの個人配信ができる16室の個室スタジオがある。
このうち1階の公開スタジオと小スタジオは原宿駅前の通りに面しており、ライブ配信の様子が見えるようになっている。人気芸能人のライブ配信利用の前には、スタジオ利用の数時間前から整理券を求める観覧者が集まってくる人気ぶりだ。JRホームからも見える2階の壁面にはデジタルサイネージが設置され、広告やライブ配信中の各スタジオの映像を自由に組み合わせて表示することができる。
■TriCaster 8000を中心とした公開スタジオ
AmebaFRESH!Studioの1階と2階にある2つのスタジオは、ライブビデオスイッチャーTriCaster 8000を中心にマルチカメラ収録/配信ができるスタジオ機器構成を選択。オプションツールのTriCaster Advanced Editionも追加している。
AmebaFRESH!Studioは配信がメインのスタジオであることから、回線の帯域確保にも力を入れており、2つのスタジオに加え、小スタジオや16室の個室スタジオで同時配信しても問題が出ないようにしている。負荷がかかっていない状態で、上り下りとも800Mbps以上の数値を叩き出しているようだ。
株式会社サイバーエージェント アライアンス本部 / AmebaFRESH!Studio で最高放送技術責任者を務める藤崎 智 氏は、TriCaster 8000を中心とした導入理由を次のように話した。
「以前に幾つかのスタジオでTriCasterが使われているのを見て、その使いやすさにいつかはメイン機材として使ってみたいと思っていました。AmebaFRESH!Studioは、個室スタジオも含め、すべてのスタジオでグリーンバック撮影ができるようになっています。TriCasterはクロマキーの抜けが高品質なので、不可欠な機材でした。先日は、グリーンバック撮影なのに、緑色に髪を染めた出演者がいて、クロマキーの抜けがどうなるかと心配しましたが、グリーンバックの色としっかり区別してくれたことに驚かされました」
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2つの公開スタジオは、カムコーダーや収録機器のベース構成を同じにしている。スタジオカメラにはソニー製XDCAMメモリーカムコーダーPXW-X160を5台使用している。
さらに通りからスタジオを覗き込む観覧者を撮るために、1階の公開スタジオ天井にはパナソニックのリモートカメラが設置されている。
また、出演者全体の様子を撮るために超広角撮影に対応したキヤノン製小型ムービーカメラiVIS mini Xがテーブルに設置されている。
これら7台のカメラからのスイッチング映像は、TriCaster本体で収録するほか、パナソニック製メモリーカードポータブルレコーダーAG-HMR10AとJVC製業務用Blu-rayディスクレコーダーSR-HD2500を使用してバックアップ収録する。芸能人が出演するライブ番組は、出演者の事務所が広報宣伝用に利用する事も多いが、TriCaster本体の収録素材は過去番組の再生用として使用している。以前は、Blu-ray/DVDディスクでの納品が多かったが、ディスクを焼く時間がかかるため、最近は収録後すぐに渡すことができるファイル納品が増えてきたそうだ。TriCasterで収録した映像は、番組再配信用に使用してきたが、最近はライブ番組のニーズが高まってきており、再配信の機会は減ってきているという。
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1階と2階の公開スタジオ間はケーブル接続されており、2つのスタジオを連携しながらの大規模な番組収録/配信にも対応している。
さらに、通りに面した1階の公開スタジオにはSkypeを使用して映像伝送するTalkShowが導入されており、スタジオ外に集まった観覧者のインタビューなどを、iPhone/Androidなどのスマートフォンを使用してSkype経由で伝送することができる。
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「1階と2階でスタジオ機材を分けるという案もあったのですが、オペレーションが煩雑になるためTriCaster 8000で揃えることにしました。TriCasterは結線しやすいので、それぞれの機材の結線は自分で行いました。スタジオの内装工事がオープンギリギリの7月15日までかかってしまい、TriCasterをはじめ機材セットアップは2日間で行うことになりました。なんとか間に合いホッとしています。
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現在はリモートカメラのコントロールは専用コントローラを使用してるのですが、TriCaster 8000もリモートカメラに対応しているので、近いうちにTriCasterからリモートコントロールできるようにしていく予定です」(藤崎氏)
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■短時間で操作に慣れることが可能なTriCaster
公開スタジオでは、合計6~7台のカメラ映像とテロップ、持ち込まれたプロモーション動画などを組み合わせて配信する。スタジオのサブ室の片隅にラックが設置され、スタジオ専用のマシンルームなどは用意されてはいなかった。サブ室では、制御卓にTriCaster 8000のコントロールサーフェイスが埋め込まれ、その左右にテロップ用のノートPCとオーディオミキサーが配置されていた。コントロールサーフェイスが埋め込まれた場所の手前には引き出しが付いており、トラックパッド付きのキーボードが収納され、これでTriCasterのキーボード/マウス操作ができるようになっていた。
TriCaster 8000は、TriCaster Advanced Editionソフトウェアオプションを追加している。TriCaster Advanced Editionは、データとの連動可能なリアルタイムグラフィックスをはじめ、マルチプラットフォームへのストリーム配信、放送中のリプレイ再生機能、マルチメディアミックスの拡張などが行われているオプションだ。AmebaFRESH!Studioでは、フレームエフェクト機能を使用してカメラ映像の演出用に活用していた。
「TriCaster Advanced Editionでは、コントロールサーフェイスのボタンをロックすることができるようになったこともありがたいです。このロック機能を使えることが、Advanced Editionを導入した大きな理由」と藤崎氏は言う。「TriCasterの操作に慣れていない人がスイッチングを担当することになっても、映像入力のないボタンはロックしておくことで、入力のないボタンを押すことがなくなり、スイッチングミスを減らすことができました」
「また、ワイプのボーダーもオリジナルデザインのものを制作できるなど、演出の幅が広げられるので積極的に活用していきたいですね」
AmebaFRESH!Studioから発信される番組は、バラエティ番組が中心。画面切り替わりのタイミングや問題解答時の演出に、爆発エフェクトのアニメーションを追加したりすることも多い。普通の番組では派手すぎるアニメーションエフェクトも、バラエティ番組では遊びの要素として活用している。
サブ室にはBlu-rayプレーヤーが置かれ、持ち込まれた楽曲やミュージックビデオ、映画のトレーラー映像をディスクから直接再生することもできるようになっている。ただし、プレーヤーから再生するのは時間的に余裕のない場合など必要最小限にし、ほとんどはTriCasterに取り込んでDDR再生しているようだ。藤崎氏は、「DDRは、ボタン1つで再生できるので、使いやすいですね。番組に必要な部分を尺調整して並べておいて、プレイリストとして連続で再生したりすることもできます」と話した。
(DDRタブに素材が並んでいる様子)
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以前であれば、ライブ配信の2時間前にスタジオ入りしてもらって準備する必要があったそうだが、TriCaster 8000を導入してから準備のための時間は半分以下に抑えられるようになったという。作業のワークフローがそれだけシンプルかつ機能的になっているということだろう。
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■誰もが操作でき、よりスムースにするように役割分担
AmebaFRESH!Studioでは、カメラワークがそれほど入らない通常の番組配信スタイルであれば、4人一組で行っているようだ。スタジオ内では1人が5台のカメラの構図やフォーカスを確認し、サブ室では1人がTriCasterのスイッチングとテロップ、1人が配信監視、もう1人がオーディオミキサーの操作をするという役割分担だ。藤崎氏は、「音声レベルを素早く変える必要があるオーディオミキサーの操作は、私やテレビ局の番組制作技術会社が担当していますが、TriCasterのスイッチングやテロップなどは、ディレクターや脚本・シナリオ担当の人が操作しています」と話す。
ライブ配信で使われるテロップは、PowerPointを使って作成して、ノートPCの出力を利用している。このほか、PowerPointで背景用のグラフィックを作り、その一部分にグリーンの窓を作っておき、TriCasterでグリーン部分を抜いてカメラ映像をはめ込むといった使い方だ。
「TriCasterでもテロップは作れるのですが、ライブ番組が始まってからテロップを作り直すことも多いため、グリーンの背景にテロップのテキストやグラフィックスを追加したPowerPointを活用して、ノートPCの再生映像をTriCasterに映像入力しています。こうすることで、誰でもテロップや背景グラフィックスを作成でき、必要に応じてすぐに差し替えることができるようになりました」(藤崎氏)
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TriCaster 8000は、映像素材の切り替えやエフェクトを活用した演出に特化させることで、よりスムースなワークフローを構築している。Advanced Editionを使用しているのでマルチプラットフォームへの配信も可能になっているが、最終出力のエンコードと配信は、配信用PCを別に用意して行っている。藤崎氏は「配信仕様上、パラメータを都度変更する作業が発生するため、あえて配信部分を独立させている」と話した。
また、2Fの窓の大きなデジタルサイネージにもライブ映像が送出される。
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■放送局の番組スタジオとしての利用も始まる
AmebaFRESH!Studioがオープンして、スタジオを活用したい企業や制作会社、放送局の番組制作担当者が数多く見学に訪れるようになったという。
「放送局と同様のスタジオ構成で、1日中TriCasterを使用していますが、トラブルになったことはなく安定して動作しています。見学に来る放送局や制作会社の人は、実際に番組制作で運用されているTriCasterを見たことがない人も多く、スイッチングされている最終映像は、十分なクオリティだと評価されています。さらにTriCaster 8000は、入力数が限られるものの、8M/Eに相当する機能を持っていると話すと、かなり驚かれますね。放送局でもTriCasterを使用するところが増えるといいですね」(藤崎氏)
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そして最近では、キー局番組のサテライト収録に活用したいという声もあり、情報発信基地としてますます目が離せない存在となっていきそうだ。AmebaFRESH!StudioではTriCaster Miniも導入しており、スタジオ以外での中継/配信時に活用している。

 

 

 

レポート/秋山 謙一

 

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